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シーザル錠(レボセチリジン) | 第3世代と呼ばれる、欠点の少ない抗ヒスタミン薬


シーザル錠は、主成分がレボセチリジンである、第3世代と呼ばれる最も進歩した抗ヒスタミン薬の一つです。同じく第3世代と呼ばれるアレグラ錠よりも服用方法が簡単であるという長所があります。1

第1世代抗ヒスタミン薬よりも眠気や抗コリン作用性副作用が少なく、食事に関係なく1日1回服用すればよい薬です。

シーザル錠5mg 10錠のアルミ包装を白い背景の中央に横向きに配置した様子

第1世代よりも眠くなりにくい


フェニラミン錠やアディファム錠が属する第1世代抗ヒスタミン薬は、血液脳関門を通過して脳のH1受容体を多くブロックします。このため、眠気や反応の遅れが生じることがあります。

一方、シーザル錠のレボセチリジンは血液脳関門を通過しにくいです。健康な成人8名にシーザル錠と同じ成分と用量の薬を1回服用させた研究では、脳H1受容体占有率は平均8.1%であり、プラセボとの有意な差はありませんでした。2

48の研究、18,014名を総合した分析でも、レボセチリジンは第1世代抗ヒスタミン薬よりも鎮静作用と反応時間変化が少なかったです。ただし、プラセボよりは鎮静作用がわずかに多かったため、シーザル錠も人によっては眠くなる可能性があるということです。3

第1世代抗ヒスタミン薬は血液脳関門を多く通過して脳H1受容体をよりブロックし、眠気が顕著であるのに対し、第2世代は脳への流入が少なく、眠くなりにくい違いを比較した図

抗コリン作用性副作用も少ない


第1世代抗ヒスタミン薬はH1受容体だけでなく、ムスカリン受容体にも作用します。そのため、口渇・便秘・排尿困難・視界のぼやけといった抗コリン作用性副作用が生じることがあります。

一方、シーザル錠のレボセチリジンはH1受容体選択性が高く、ムスカリン受容体には結合しにくいため、第1世代で問題となる抗コリン作用性副作用も少ないです。4

第1世代抗ヒスタミン薬が脳H1受容体遮断により眠気・集中力低下を、ムスカリン受容体遮断により口渇・便秘・排尿困難・視界のぼやけ・錯乱・せん妄を引き起こす2つの経路を比較した図

抗ヒスタミン薬の世代別違いと副作用に関する詳細については、抗ヒスタミン薬の記事をご参照ください。

シーザル錠の系譜とジルテック錠との比較


第1世代であるアディファム錠のヒドロキシジンは、体内で代謝されて第2世代であるジルテック錠のセチリジンに変化します。セチリジンは、構造が鏡像のように異なる2つの立体異性体が混ざっています。このうち、H1受容体に主に作用するR型のみを選んで作られた成分が、一般的に第3世代と呼ばれるシーザル錠のレボセチリジンです。5

アディファム錠のヒドロキシジンがジルテック錠のセチリジンに代謝され、セチリジンの2つの鏡像のうちR型がシーザル錠のレボセチリジンである関係を示す図

しかし、ジルテック錠で薬効を主に担うR型のみを分離したという構造上の違いが、臨床的な優位性を意味するわけではありません。

アレルギー性鼻炎患者570名にレボセチリジン5mgとセチリジン10mgを1回投与した試験では、症状改善に有意な差はありませんでした。花粉に1回曝露した後の反応を見た研究であるため、長期服用時にどうなるかまでは判断できませんが、少なくとも短期的にはシーザルがジルテックよりも優位であるという結論は出ていません。6

セチリジンを服用して眠気を感じたアレルギー性鼻炎患者29名を対象に両薬を比較した研究では、眠気にも有意な差はありませんでした。7 2026年のアレルギー性鼻炎ガイドラインも、セチリジンとレボセチリジンの鎮静度をともに中程度に分類しています。8

両者の最も実用的な違いは医薬品分類です。ジルテック錠は一般用医薬品であるため処方箋なしで購入できますが、シーザル錠は医療用医薬品であるため処方箋が必須です。1,9

そして、シーザルにはシロップ剤であるシーザル液があり、幼い小児にも使用できるという違いがあります。ただし、シーザル液も医療用医薬品であるため、処方箋が必須です。10

シーザル錠は6歳から、シーザル液は1歳から


シーザル錠は6歳以上から服用可能です。6歳未満にはシーザル液を使用する必要があり、シーザル液は1歳から服用できます。両製品は成分は同じですが、年齢によって服用量と回数が異なります。1,10

製品年齢1回服用量服用回数
シーザル錠6歳以上1錠1日1回
シーザル液6歳以上10 mL1日1回
シーザル液2歳以上6歳未満2.5 mL1日2回
シーザル液1歳以上2歳未満2.5 mL1日1回

アレグラ錠との違い:簡単な服用方法


シーザル錠とともに第3世代と呼ばれるアレグラ錠は、脂肪の多い食事と一緒に服用すると、体への吸収量が20%まで減少することがあります。11 グレープフルーツジュース・オレンジジュース・リンゴジュースと一緒に服用したり、アルミニウムやマグネシウムを含む制酸剤と一緒に服用したりしても、吸収量が大幅に減少することがあります。12,13,14

脂肪の多い食事とグレープフルーツ・オレンジ・リンゴジュース、アルミニウム・マグネシウム制酸剤がアレグラ錠の吸収を妨げる服用組み合わせを示す図

一方、シーザル錠は食事・フルーツジュース・制酸剤といった複雑な条件に合わせる必要がありません。食事と一緒に服用した場合、吸収速度は遅くなりますが、吸収される総量が減ることはありません。1

服用条件シーザル錠アレグラ錠
服用回数1日1回含有量により1日1回または2回
食事制限なし食前
一緒に飲む飲料制限なしグレープフルーツジュース・オレンジジュース・リンゴジュースとの併用は避けるべき
制酸剤制限なしアルミニウム・マグネシウム制酸剤とは約2時間の間隔が必要

アレグラ錠の用量別服用方法と注意事項に関する詳細については、アレグラ錠の記事をご参照ください。

腎機能と眠気は確認が必要です


シーザル錠のレボセチリジンは主に腎臓を介して排泄されるため、成人では腎機能を示す糸球体濾過量が60 mL/min未満の場合、服用間隔を延長する必要があります。1,10

以下は糸球体濾過量に応じたシーザル錠の服用方法です。小児は腎機能と体重を合わせて考慮する必要があるため、下記の表のように簡単にまとめることはできません。10

糸球体濾過量 (mL/min)腎機能服用方法
60以上正常または軽度低下1日1回
30以上60未満中等度低下2日に1回
15以上30未満重度低下3日に1回
15未満または血液透析中末期腎疾患服用しない

腎機能とは別に眠気も確認する必要があります。シーザルを初めて服用した場合は、どの程度眠くなるかを確認するまでは、運転や機械の操作を避けるのが安全です。アルコールや眠気を引き起こす薬は眠気を増強する可能性があるため、併用する際は注意が必要です。1


参考文献


シーザル錠はジルテック錠よりも効果が高いですか?

現在の本文で確認した比較研究では、症状改善や眠気に有意な差はありませんでした。ジルテック錠のR型のみを選んで作られた構造上の違いが、臨床的な優位性を意味するわけではありません。

シーザル錠は食事に関係なく服用してもよいですか?

はい。食事と一緒に服用すると吸収速度は遅くなりますが、吸収される総量が減ることはありません。

シーザル錠は何歳から服用できますか?

シーザル錠は6歳以上から服用できます。6歳未満はシーザル液を使用し、シーザル液は1歳から服用できます。年齢によって服用量と回数が異なります。